栗などで有名な小布施。
秋の味覚などを味わいに訪れる人も多い町ですが、小布施の魅力はそれだけではありません。
小布施ワイナリーなどもあるし、あけびの湯という見晴らしの良い温泉などもあります。
そんな小布施には、岩松院(がんしょういん)という曹洞宗のお寺があります。
小布施の中心地から約3キロ。歩きだと所用時間は30分くらいはかかりますが、車でも行けますので、小布施ランチの後に行ってみました。
↓前回の記事
由緒あるお寺 曹洞宗 岩松院
小布施に古くからある岩松院。
1472年に開山されたという事ですから、500年以上の歴史があるお寺ということになります。
500年・・・気が遠くなるような年月です。
そんな岩松院は小布施より少し山沿いに向かった場所に位置しています。
徒歩だと約30分。車だと10分程度です。
お寺に駐車場は全部で25台ほどあります。(無料)
栗のシーズンではない9月の週末に僕らが行ったときは17台ほど止まってました。
天気が良いなら小布施から散歩で行くのもありかと思います。
この岩松院、葛飾北斎の天井画がある事で有名です。
それだけでも行ってみたいと思いますが、戦国武将の福島正則のお墓があったり、俳人・小林一茶の句の舞台があったりと、歴史上の有名な人々が多く関わったお寺でもあります。
仁王門をくぐって本堂へ
駐車場に車を止めて、お寺に向けて歩き始めると、すぐに綺麗な庭園みたいな景色になりました。
あーなんだか開放的で爽やかな景色だなあ。
そして入口にある仁王門にたどり着きます。
立派な仁王門。
ちょっと特徴的なお顔をした仁王様がこちらを見ております。
門の向こうにはもうお寺が見えてますね。
早速行ってみよう!!
ちょっとした階段を登るとすぐに本堂になる様です。
その後ろにはすぐ山が見えてます。
山の麓のお寺っていう感じなのですね。
この中に葛飾北斎の天井画があるということで、拝観料300円を納めて、中へ入ってみることにします。
葛飾北斎の天井画「大鳳凰図」とは
中に入ると、丁度ガイドが始まるところでした。
内部はカメラ撮影禁止ですので、ブログには載せられませんが歴史を感じる建物です。
天井の高い、広い畳の間があり、その天井に葛飾北斎の絵が描かれています。
見上げた時、その迫力に思わず声がもれました。
「うわ・・・すごい・・・」
本物を撮影するわけにはいきませんので、その鳳凰図が描かれた風呂敷をブログには載せます。
こんな色鮮やかな鳳凰が描かれているんです。
それも21畳という巨大な天井に!!
まずこの大きさの迫力に圧倒され、そして目の鋭さにゾクリとしました。
この目・・・
どの角度から見ても睨まれているかの様です。
「八方睨みの鳳凰」とも言われていて、実際にこの部屋の何処から見上げても睨まれている感覚がしました。
次のこの鮮やかさ。
これね、風呂敷というグッズだから鮮やかという訳じゃないんです。
実際の天井画もこういった鮮やかさなんです。
葛飾北斎は160年もの昔、江戸時代にこの天井画を描いたのに、色あせてないんです。
それは当時の上質な絵の具を使って描いたから。
一部分、金箔を使ったところだけ剥げてしまっているそうですが、それ以外の場所は160年もの間、一度も塗り直しされていない保存状態の良さです。
これは驚異的!!!
その鳳凰図、よく見ると色々な植物で構成されているのが分かります。
実は身体は「縁起の良い植物」が生えているのだそうで、一番判りやすいのは、身体から松がたくさん生えているというところでしょうか。
めっちゃめでたい感じがします。色彩も含めて。
そんな情報も含めてもう一度、風呂敷の写真を見てみましょうか。
さあ、よーーーーーく見てください。
この大鳳凰図には、ある秘密があると言われています。
隠し絵があるというのです。
それは何か。
葛飾北斎といえばどんな絵を想像します??
あの山ですよね??
そう、富士山。
実はこの大鳳凰図には、葛飾北斎が好んだ富士山が隠されているというのです。
皆さんも探してみてはいかがでしょうか。
ここに答えは書きませんから!
葛飾北斎は89歳でこの絵を描き終え、江戸に戻り、90歳でその生涯を終えました。
正に晩年の作品という事です。
それにしても89歳でこんな大規模な絵を・・・
当時の男性の平均寿命は48歳。
信じられない長寿ですね。
俳人・小林一茶の句の舞台「蛙合戦の池」
鳳凰画を見てから、お寺の奥にある池を拝みに行きます。
これ、池です。
ここは蛙合戦の池といわれています。
ここは小林一茶の句の舞台なのです。
え?誰それ?
江戸時代3大俳人のうちの一人です。
他の二人は、松尾芭蕉と与謝無村です。
やせ蛙 負けるな一茶 是にあり
どういう意味なんだろう・・・
ちょっと気になる・・・。
実は僕、一茶に所縁のある千葉県流山市にて、小林一茶の人生を負った朗読劇の仕事を担当した事があって、小林一茶については気になるんです。
今度、追ってみるか。
戦国武将 福島正則のお墓がある
お墓の写真は撮るのよろしくないかと思い、この福島正則については文字だけで・・・
お寺の裏手にこの福島正則のお墓があります。
戦国時代の武将です。
豊臣秀吉の重臣として活躍した人で「七本槍の第一」と称される猛将だったそうです。
そういえば真田丸にも登場してました。
関ヶ原の戦いでも相当な活躍を見せ、広島城を49万石を超える大・大名となりました。
しかし江戸時代に入り、ここ信越地方に不本意な国替えをさせられてしまいます。
しかも49万石を超えてたのに、4万5千石まで減らされてしまいました・・・
10分の1だよ・・・ひどい・・・
そうしてこの地で生涯を終えたのだそうです。
せっかく大活躍した人だったのに・・・・
いつの時代も戦争は悲劇ばかりです。
せめて小布施のこの素晴らしい景色を堪能してくれていたら・・・
と思ってしまいました。
海、見たかったかなあ。
アクセスデータ!
という訳で、歴史上の人物が何人も関わる由緒あるお寺でした。
小布施の中心地から少し離れているから車で向かう人も多い岩松院。
駐車場は小さいですのでお気をつけくださいね。
岩松院
拝観時間
4月~10月 9:00~17:00
11月 9:00~16:30
12月~3月 9:30~16:00
駐車場 全25台(うち20台は雪の時は閉鎖もあり)
拝観料 大人300円
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