今月から、松本を知るためのキッカケになればという思いから、松本についてじっくり書いた記事を月1ペースで更新していこうと思います。
新シリーズ、マツモトノオト(松本NOTE/松本の音)スタートです。
散歩ブロガー、首都圏からの移住者、元イベント業界という僕なりの視点から松本の話題にスポットを当てていこうという企画です。
うん、真面目系の企画ですね。1記事ゆっくり時間をかけて書いてみます。
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※2021年11月29日追記
→これっきりマツモトノオトというシリーズ書いてないです(;´・ω・)キカクダオレ
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第1回の話題は、松本の冬のイルミネーションについてです。
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松本のイルミネーション事情について
松本は当然の事ながら地方都市。
大都会ではないので、東京や大阪などと比べればそこまで大規模なイルミネーションなどはありません。
とはいえ、長野県中央部(中信地区)では最大のイルミネーションスポット!(たぶん)
周辺で言えば安曇野市のあづみの公園なんかでもイルミネーションイベントが開かれていますが、落ち着いた厳かな雰囲気を味わえるのは松本だと感じます。
あづみの公園のは点滅も多くて派手なのでファミリー向けのデザインでしょうか。
松本市内で開催されている場所も何か所に分かれます。
中心地にある大名町通り、伊勢町通り(パルコ前)、イオンモール松本、浅間温泉、千歳橋付近の女鳥羽川など、実は数多く存在しますし、松本駅やレストランなど、施設ごとにライトアップやイルミネーションをしているのは都会などと同様です。
今回はこのうちの何か所かへ実際に繰り出してみました。
まつもとHikariのページェント(中心地:大名町通り)
松本市街地で最も注目を集めるのが、松本城へと向かう大名町で飾られる「まつもとHikariのページェント」なのかな?
ちょっと切なさを感じる淡いオレンジ色の灯り。
それでいて優しさというか厳かな雰囲気を漂わせています。
これは、この大名町通りの入口にあるガス灯に合わせているのだそう。
女鳥羽川の流れる千歳橋にはガス灯が設置されているのです。
最新のLEDでイルミネーションを飾り付ける時、この色と合わせて全体に統一感を出させようという考えなんじゃないと想像しちゃいました。
この企画をしているのは松本市の観光温泉課にある委員会。
(観光温泉課っていう課名もなかなか魅力!)
委員会の名前はさわやか信州松本フェスティバル委員会
長いね。きっと略称あるんじゃないかな。
松フェス委員会とか。SSMFIとか。←意味わからんか(;・∀・)
この委員会はイルミネーションの他に「松本あめ市」「氷彫フェスティバル」を企画運営しているチーム。このコロナ騒ぎの中でも冷静にイベントの開催を見極めている、とても頼もしい方たちです。
※結果的に「松本あめ市」は2020年12月22日に中止が発表された。
そして委員会は適当に電飾を使ってイルミネーションをするのではなく、とある照明デザイナーさんにお力添えをお願いした様です。
力が入ってますね。恐らく2018年からお願いしていると思われます。
それが矢野大輔氏。
Tokyo Lighting Designという照明デザイン合同会社を設立した方で、僕が観た事ある作品だと、東京渋谷の青の洞窟を手掛けていたりします。
ここで面白いのが、プロフィールなどをざっと調べた感じ、松本とは縁が無い方というところです。
一体どんな経緯でオファーされたんでしょうね。
もし主催側が矢野さんの作品を見て選んだのだとしたら、とっても興味深いです。
もちろん地元出身のデザイナーさんがいればベストでしょうけど、この規模のイルミネーションをデザイナーとしてクレジットされる様なランクで手掛けるとなると、日本全国探してもそんなに沢山の人がいるわけじゃないし、照明デザイナーはそんな簡単な仕事じゃありません。
僕は舞台照明をやっていたので建築照明には詳しくないのですが、矢野大輔さんのデザインで多いなと感じたのは「統一感」
今回の松本もそうですし、青の洞窟もそう。その他の作品も色々探してみましたが【無駄に多くの色を取り入れない】という印象。
使ったとしても同系色の濃淡などで表現することを得意としているのではないかと感じました。
点滅しまくりなイルミネーションやるとバブル期みたいな古臭さを感じるんですよね。あえてパリピ的な印象にするのも良いけど厳かさが0になるという・・・。
点滅を激しくさせる照明はライブハウスとかクラブでやるとキマります。
大名町通りには行灯(あんどん)が置かれているのをご存じでしょうか。
普段から、夜になるとそれも灯るのですが、ガス灯、行灯、イルミネーション共に同様の色彩で統一されています。
これにより大名町から松本城まで歩いて行く中で、世界観が構築されていく。
逆に松本城から街中へ戻る際にも急に世界観が急には壊れない。
ディスニーやUSJなどの一流テーマパークでも使われる手法だよね。
ただ・・・。
手掛ける人間がその地に縁が無いというのは集客力としてはとても痛い。
大都市ではそんな事はなくデザインと話題性で人は集まるのだけど、地方では「地元の人と一緒に頑張って作り上げた」という要素がとても大事になってくるはず。
その点では、矢野大輔氏がいくら有名な「青の洞窟」とか「TED」とか「倉木麻衣の舞台衣装」とか手掛けた経験があっても松本では「誰それ?」な感じで話題にはなりにくい。
せめて、松本市広報や市民タイムスなどで矢野さんが意気込みや松本の街並みへの感想などのインタビューを受けていれば話題になるのかもしれないので、ちょっともったいないかなと感じたり。表には出ない人なのかもね。
だけれど、そんな小難しい事は抜きにして、この大名町のしっとりとした美しさを見てほしいんです。
お気づきかもしれないけれど、人はまばら。
コロナで観光客も少ない。
松本周辺にとんでもなくお詳しいフォロワーさん(おびちゃん)に教えて頂いたのだけど、この辺り、夜になると営業しているお店も殆ど無いから地元の人もそんなに歩いてないんです。
それだけに、余計な電飾は無く、ゆっくりとイルミネーションを楽しめるのだけど、活気に繋がるにはまだ道のりは遠い。
コロナが終わり、観光の方々が大勢いらっしゃる時代が戻る事を切に願います。
開催期間:2021年2月28日まで 17:00-22:00
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中心地で気になったイルミネーションをいくつかご紹介
さて、次に紹介するのは、散策している中で目に止まったいくつかのイルミネーション。
もちろん市内各地に素敵なスポットはいくつもあるのだけど、大名町通り周辺で行けたものを抜粋してお送りします。
訪問日が2020年12月12日なのですが、15日以降は千歳橋付近にさらなるイルミネーションがあるそうなので、それもまた追記出来たらなとは思ってます。
cafe noyieさんのエントランス
大名町通りに2014年からあるお洒落でスタイリッシュな雰囲気のカフェ、coyieさん。
こちらのエントランスのツリーが素敵。
洗練されたデザインのクリスマスツリー。
暖色と寒色に変化するLEDライトは、ほんわかした雰囲気というより最新鋭な雰囲気。
全面ガラスのカフェともマッチしていて印象に残ります。
それでいて足元には優しそうなサンタさん達。
今回巡った中で最もクリスマスっぽい雰囲気を醸し出していたと思う。
松本はそうでもないけれど、地方ではどうしても単純にビカビカ光らせる昔のパチンコ屋の様なイルミネーションもある。
けれどそれは20年前、2000年くらいまでの流行り。なんでも派手にするのがトレンドだった時代。(僕はその時代が青春なんだけども)
今は「クリスマスの幸せな雰囲気」とか「静かな夜」とか12月のテーマに合ったものが良いかなと個人的には思う。
なので松本のイルミネーションって素晴らしいよ本当。
OLD ROCKのエントランス
こちらも店舗の入口。
夜こそ営業しているのでこれまで書いてきた大名町より賑やかさを感じる。
アイルランドの雰囲気なパブなので、やはり西洋のクリスマスを思わせてくれる落ち着いたツリーと店舗エントランス。
この時期じゃなくても歩いていると目を引く独特の世界観が素晴らしいなって思う。
車で市街地まで来たのでお酒は呑めないので写真だけ撮らせていただく。
まだ入ったことのないお店なので、今度は徒歩で来て呑んでみるか。
楽しい気持ちになれそう。そんなデザイン。
アルモニービアンのエントランス
エントランスばかりの紹介で申し訳ない。
銀行を改装した結婚式場アルモニービアン。
ランチでフランス料理を食べた事があるのだけど、ここの入口がワンポイントで異国感があってグッとくる。
なんて事はない。
リースを1個吊ってあるだけだ。
ただその位置が最高なのだと思う。
街灯の真下で、ふんわりと灯りの中に入っている。
「照らしている」わけじゃない。「灯りの中に入っている」のがセンスある。
スポットライトで照らすとどうしても「これ見て!!」という印象が強くなりすぎてしまうけれど、元々ある街灯の灯りの範囲内に吊ると自然な感じで浮き立っている。
イルミネーションとは呼べないかもしれないけど、書き残しておきたい。
建物全体としては、さっき一度出した写真ではあるけれど、場所を分かりやすくするためにもう一度掲載。
信毎メディアガーデン
2018年にオープンした最新の建物。
長野県最大の新聞社、信濃毎日新聞の松本本社が入っている建物である信毎メディアガーデン。
外観は12月だからといって変化があるわけではない。
レトロな松本市街地にあって、ここだけ最新鋭のデザインの建物なので、明かりが灯っているだけで物凄く目を引く。
そんな信毎メディアガーデンも、外からではわからないけれどクリスマスイルミネーションは設置されている。
建物内は明るい照明なのでツリーの電飾はそんなに目立たないけれど、可愛らしさとスタイリッシュさが共存しているかの様な配置。
ツリーの足元にプレゼントボックスがたくさん置かれているのは王道な演出だけど幸せ館があって良いよね。光るわけじゃないけど。
いや、ビール好きの目が輝いてしまうかもしれないな。
松本ブルワリーのビールが並べられている。
クリスマス当日はビール飲んじゃう??
って思っちゃう人も多いかもしれない。
ちなみにツリーの写真載せて気づいたけど、信毎メディアガーデンの天井と、松本駅改札前の天井って同じデザインだね。建築チームが一緒なのかしら。
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伊勢町クリスマスツリー コンテスト
さて、今回の松本中心地イルミネーション紹介記事のラストにお届けするのは、松本パルコ前に展開されている第1回 伊勢町クリスマスツリーコンテスト
ん・・・急にブレた写真で申し訳ない。
こちらは、ふるさと松本への想いを込めたクリスマスツリーを飾る今年初の企画。
参加グループは40チームにも及び、それぞれテーマをもってツリー制作をしています。
40個全てを紹介するわけにも行かないので、個人的に気になった作品をいくつか載せてみたいと思います。
こんな形で参加チーム名とテーマが書かれており、気に入った作品への投票が行われました。(投票は2020年12月13日で終了しています)
個性的な作品が多いのが印象的。
例えばこちらはカフェっぽいデザイン。
これ、よぉく見てみるとびっくり!!
飾られているカップの中もデザインされている!
なんという力作。カップの中にもツリーがあったりします。
感動のあまり声を上げてしまいました。
ゆるキャラのフェルトが飾られているツリーも力作です。
フェルト制作だけでも相当なものです。
僕の地元、神奈川県のえびーにゃ、あゆコロちゃんもいたので、思わず写真に収めました。フェルト生地というのはとても根気がいる作業が必要です。
この作品へかける情熱を感じた作品です。
他にも個性的な作品がありました。
これはテーマ何だかわかりますでしょうか。
松本市に縁があるものです。
ステンドグラスの窓。何処かで見た事ないでしょうか。
正解は旧開智学校。なるほどって思った方もいるかもしれません。
最後に、中学生が手掛けたピンポン玉を使った作品。
可愛らしい。
とにかく一言。
可愛らしい。
なかなか大人になると、こんなシンプルな可愛さを表現出来ないと思う。
心がほっこりする・・・そんな作品です。
伊勢町クリスマスツリーコンテストは2020年12月25日までの展示となります。
松本×冬×イルミネーション
いくつか松本中心地のイルミネーションを紹介してみました。
長野県内では他にも長野市や佐久市でも素敵なイルミネーション情報が聴こえてきます。
中信地区では、この松本が最も規模が大きいし、落ち着いた雰囲気もあると思います。松本は素敵なだなあと感じる作品たちで一杯です。
業者丸投げではない雰囲気が、むしろ都会の作品より良いんじゃないかと感じました。もちろんスタイリッシュさと規模では都会の方が上かと思いますが、優しさと温かみはそれより上だと思うんですよね。
(2021年からやってる松本城レーザーマッピングは知らんけど)
そして今年はどうやらキンキンに冷えた冬がやってきそうです。
遠くへ行くのも難しい雰囲気の2020年。
松本市や長野県内の方、松本中心地で灯りに照らされた一時を過ごすというのも、たまには良いのかなと思ったり。
心がギザギザした1年でしたし、最終12月くらいはほっこりしたいよね。
マツモトノオト2020年12月号 完
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参照資料
【伊勢町せせらぎ通信】14号 - 信州・松本市の伊勢町商店街公式サイト ISEMACHI WEB
松本市のアイリッシュパブ|PUBLIC BEER HOUSE OLD ROCK|パブリック・ビア・ハウス オールドロック