マツモト建築芸術祭、20ヶ所全て巡るレポート。
中編は7番から先を巡ります。
↓1番~6番レポートはこちら
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2022年2月13日 14:15 7番から11番を巡る
⑦上土劇場(旧ピカデリーホール)
ちょっと曇って寒くなってましたが、7番から先へ進んでいきます。
まずは上土劇場(旧ピカデリーホール)
昭和35年に建てられた映画館で平成10年まで営業していました。
うちの奥さんは松本市出身なのでここで映画を観た事があるそうです。
現在は上土劇場という名前でお芝居などをする劇場として運営されていて、数年前には新田真剣佑さん主演「さよならまでの30分」という映画のロケ地としても使われています。
この昭和な感じの劇場へと扉が懐かしい・・・
中に入っていくと、客席と舞台があり、舞台上には広告写真家の白鳥真太郎氏の写真作品が吊られていました。
お、かなり有名な方々のお写真。
これがうす暗い舞台の上に吊られていて、舞台照明でふんわりと照らされてます。
バンドア付きの照明が前明かりにあるというのが、いかにも小劇場っぽくて良いな。
それとも今回用に仕込んだのか??
客席の天井には西部劇でよく見るような空気を循環させる回転するやつ。
良い味出してるなあ・・・。
まさに小劇場。
東京で言うと下北沢とか荻窪とかのエリアにありそうな感じだ。
舞台と客席最前列の足元が同じ高さ。
これは演者を近くに感じるだろうなあ・・・。
これだけコンパクトな箱だと演者の息使いまで聴こえるので臨場感が凄いと思う。
仕事以外で舞台上に乗るのは久しぶりで、なんだか嬉しかった様な、お仕事で舞台に乗りたい様な、不思議な感覚だった。
⑧白鳥写真館
先ほどの上土劇場で作品を展示していた白鳥真太郎氏の写真を建物二階にドドンと掲示している白鳥写真館。
こちらは何と大正13年に建てられた写真館なのだそう。
長野県では各地に存在する看板建築。
表面だけ西洋の様にデザインされているので、横から見ると・・・
そう。横はいたってシンプル。
それが看板建築。
⑨下町会館
こちらも看板建築。
昭和3年に建てられた元、薬屋さん。
え、薬屋さん?!随分立派な薬屋さんですね!!
味わいのある階段を登っていくと、ここでは土屋信子という現在美術家の作品が展示されています。
どんな作品なのか解説文を読むと・・・
「全く論理的ではないプロセスを積み重ねる事によって訳のわからない何かを作る」
「そのプロセスは馬鹿げたものが多い」
「そのプロセスによって忘れていた記憶や、無意識の自分の底にある部分を掘り起こす」
ちょっと何言ってるか分からないんですけど!
と思いつつも、分からなくは無い気もする。
難しい話だし、頭の中で解釈したことを文章で表現出来ないんだけど、感覚的にはどんな事を言っているのかは少し理解できる。
しかしいざ展示物を見るとこれが想像を超えていた!!
月に行くための装置だ!
こ・・・これは・・・・。
部屋全体を使った作品か。
訳の分からないものという作品を撮る時は何処を撮ればいいのか。
自分としてはこの作品に対する写真はこの2枚が答えなのだけど、そもそも答えなんて無いんだろうな。
芸術というのは感性と感覚の話だから、理系の仕事している自分にはなかなか難しい(;・∀・)
⑩上土シネマ
続いては昭和レトロ感満載の上土シネマ。
さっきからの写真で分かるかもしれないけど、マツモト建築芸術祭ってけっこう人が来ている。
年配の夫婦もいるけれど、割と若い人も多い。
順路通りに巡っていく人も数多く、何度も何度も同じ人に出会ったりする。
この上土シネマは建てられた年はよく分かっていないけれど、大正時代に作られた建物らしい。
なんと平成20年まで営業していたというのだからビックリする。
閉館記念上映の演目が残されているのだけど、最終は鉄道員(ぽっぽや)だったっぽい。その1つ前がビーバップハイスクールというのが何とも面白いよね。
中に入ると意外と最近に感じる作品のポスターも。
そして客席へ進んでいく通路がまた凄い雰囲気。
お・・・・( ̄▽ ̄;)
ここ行くの。
なかなかな迫力だね。
ここでホラー映画は観れない気がしてきた・・・。
なにこの扉は・・・( ̄▽ ̄;)
よおく見ると・・・
電話のある部屋って事か。
電話ボックス的な。
作品が上映中なので客席の写真は撮れませんでしたが、映写機の写真は撮れた。
(上映作品はプロジェクターで投影中)
これは・・・何ていう映写機だろ。
暗くてよく分からない・・
僕は仕事上、16mm映写機を使ってた事あるけど、これは16mm??
なかなか迫力を感じた上土シネマでした。
⑪割烹 松本館
さてここで雪がチラついてきました。
時刻も15時となりだいぶ寒くなってきたので、本日はこの11番でラストとして、12番からは次の機会とします。
(記事としては次回になります)
ということで本日最後の会場はここ、割烹松本館。
明治23年創業の超老舗。
松本に賓客をもてなす施設を作り上げたいと考えた2代目当主が昭和10年頃に建てたとのこと。
賓客・・・??VIPって事かな。
この建物の中にそんな偉い人をもてなす部屋があるというのだろうか・・?
えっ!!( ゚Д゚)
なんですかこの部屋は!!
ちょっと豪華過ぎないか!?!
まずこの天井!!!
一つ一つ全てに違う絵柄が!!
しかもそれぞれ素晴らしい作品!!
脇の方には鶴の絵が・・・!
やばい、ここ、ヤバイ!!
なんなのこの灯りは!!( ゚Д゚)
凄すぎない?!ちょっとここ本当に松本市内ですか?!?!
いやいや、天井だけじゃないぞ、横もよく見るんだ!!
お洒落な・・・・障子?なのか?これは。
なんて美しい模様なんだ。こんなの触れないでしょ。
うおお・・・凄すぎて言葉を失うわ・・・これ全部一つの大広間ですからね。
部屋が凄すぎて、最初の黄色い服装の作品の事がすっかり頭から抜け落ちてしまい、そちらをアップで写真に収めるの忘れてた・・・
これは松本てまり・・・かな?
上品な作風。
そしてお部屋を後ろに振り返ってみると・・・
なんか舞台と・・・松羽目が!!
松羽目って劇場の吊りもの以外で初めて見た!
ここ、割烹ですよね!
松羽目がある割烹とか初めて見ました!
そしてこの松羽目の裏は・・・・
梅・・・?
桜・・・?
どちらなのか分からないのですが、梅が描かれているものもあると舞台スタッフ時代に聞いた事があるので梅ですかね。美しい絵柄です!
別室にも入れるという事なので、このまま応接の部屋らしき場所へ。
めっちゃ品がある・・・いや、格式があるという表現か?
こんなお部屋で待つというのはどんな気分なんだろう。
このお部屋の前には立派な庭園が・・・
トイレまで格式ありました。
素晴らしい建物です、割烹松本館。
↓正面の建物がお手洗い
さて、この日のマツモト建築芸術祭はココマデ。
12番~20番の8つが残ってますが、翌週に行きました。
ブログでは次回更新がこのシリーズの最終回です!
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