主に通勤中に読書しています。
今回読んだのは、これはお初となる木皿 泉さんの「昨日のカレー、明日のパン」
全9話のオムニバス形式の短編が入っている作品で、少しだけ時系列がバラバラに進んだりもしながら、主要人物であるテツコと、ギフ(義父のこと)の物語が綴られています。
何の物語かといえば、特に何も起きません。
そういう作品、好きなんです。
何かに向かって突き進む話も好きですが、こうした「日々」を描いて行く作品は読んでいて安心します。
まあ感想文なんでざっと書くと・・・
数年前、若くして亡くなってしまった夫・一樹。
残された嫁・テツコと、ギフ(義父)を中心に、
現在の恋人の岩井さんや、山ガールの”師匠”、笑い方を忘れたCAの”ムムム”など、個性豊かでいてどこか親しみのあるキャラクター達が、ほんわかした物語を綴ります。
ほんと、特に何かが進んで行くわけじゃないんだけど、最後まで飽きさせずに読ませるのが凄いのだけど、何が凄いって、やっぱり台詞。
この方の作品は初めて読んだのだけど、台詞がうまい!
電車で読みながら、思わずニヤリとしちゃう言葉回し。
どうやら木皿 泉というのは夫婦での作家ユニットの名前らしい。
本来はドラマの脚本家であるらしく、有名な作品では・・
などを手掛けていたとか。
セクシーボイスアンドロボなんて、名前は可笑しいけど、かなり心温まるドラマで好きだったんだよなあ・・・
全9話の中で、第3話の「山ガール」がとっても好き。
男性ならわかるであろう、女子の前でちょっとカッコつけたい気持ちが、すんごく共感出来る描写で、苦笑いしながら読んじゃった・・・
大体ね、カッコつけようとしている時はね、うまく行かないんだよね。
自然にしている時の方が異性とうまくいくよね(笑)
というわけで「昨日のカレー、明日のパン」
2014年本屋大賞でも2位に入っている名作です。
のんびりと本を読みたい時に。
次回予告
次回は美術館お出掛けを1話。
三鷹の森ジブリ美術館です。