2019年1月に首都圏から長野県松本市に移住してきた僕が、感じたことを忖度なくレポートする松本移住シリーズ。
2か月に1度の更新なのですが、この期間はコロナ戦争の真っただ中なので、地方生活をあまり楽しむ時間はありませんでした。
そんな中で感じた、首都圏と松本の意識の違い。
そして地方移住の永遠の議論テーマの一つでもある「車は絶対必要?」についての感想を書いてみます。
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思ってたよりも山は高い
松本市付近の現状の被害(2020年5月22日現在)
長野県松本市にもコロナの波は押し寄せてきました。
感染者数こそ大したことないんだけれど、観光客が来なくなった今現在、ホテル等の宿泊業、イベント関連は壊滅的。そして飲食業も相当な収入源というのは首都圏と似た様な状況です。
それと、あまり報道はされていないんですが、松本市のある中信地区というのは精密機械等の大きな製造工場もけっこうあって、そこが休業であったり、週に3日くらいだけしか勤務がない「一時帰休」対応になっていたりして、これも相当な収入源で、生活が苦しい人も大勢いると思われます。
一時帰休なんて単語、今回の騒動でディズニーが発表するまで聞いたこともなかったよ。
そう。
勘違いしている人もいるかと思うけど、決して「正社員」として会社勤務している人は安泰という状況ではないんだよね。
飲食店などにテイクアウトで支援したい気持ちもありつつ、自分も今後どうなるかなんてわからない経済状況という方々も非常に多い。
だって、松本市の平均年収328万円だからね。
(総務省算出。これはまあ色々と議論の余地の多い算出方法だけど)
僕、年収が320万円で東京で暮らしてたとき、お昼休憩で500円以上のお弁当なんて恐れ多くて手を出せなかった。
ここからさらに休業して月収が下がる
↓
外食する機会が無くなる
↓
飲食店が閉店する
↓
飲食が衰退したら観光魅力が減ってコロナ後も観光収入が減る
↓
公共施設や道路等を直す予算も減る。
↓
「あぁ松本ね。一時良かったけどね。今は寂れてるよね」
なんていう展開にならないか怖い。
だから、感染者数が少ない長野県松本市でも、きちんと物事を考える事が出来る人たちは5月22日現在でも油断はせずマスクもしているし、会話する時の距離感を保ってる。
「もう大丈夫だよ、あはは」
という人は松本市の事を好きじゃないのかなあ・・・。
もしくは平和ボケかな。日本人はすぐ危機を忘れる生き物。
既に東日本大震災どころか昨年の台風19号のことも忘れてるのかもしれない。
僕は「第2波」は日本の何処かに100%やってくると思ってる。
それが来月なのか、乾燥してくる秋冬なのか。
その時に向けて、今の対策と備蓄(マスクや消毒液など)は来年ワクチンが出回るまでやめる事はしない。
そして、そういう人は、ここ松本市にも多いと嬉しいな。
首都圏との意識の違い
こんな広い空間と自然が市内に溢れる松本市。
正直な話、こんだけ広くて、人も密集してない場所が多いんだから、リスキーな場所って少ない。
マスクを外して大きく深呼吸をする。
気持ち良い。
空気ってこんなに清々しいものだったんだ。
「ユパ様!!」
「ゴホッ。少し・・・肺に入った」
なんていうナウシカの会話の様な世界じゃなくて本当に良かった。
(上記のやりとりは、コロナ前からうちの夫婦ではよくやってた)
先日、LINEのグループ通話機能を使って、オンライン飲み会をしてみた。
相手は東京都内に住んでる、舞台業界の仲間たち。
その時の会話でわかったのは首都圏と松本市での危機感の違い。
感染者数が全然レベル違うから、やはり考え方に差がある。
オンライン飲み会の日は5月2日。
東京は感染者数が1日で150名を越える日もある状況。
聞いていると、長野県なんて平和なもんだなって感じた。
もちろん最初に書いた様な経済的な危機感は強いけど、命の危険は東京都と全然違う。
東京都では「何処にでも感染者はいる。電車内で何度もすれ違ってるはず」という意識。誰でも何時でも感染する。と考えて対策している人が殆ど。
だから感染した人に対して「大変だったね!大丈夫?!」と心配してくれる事が多い。
(自粛警察とかいう、パニック状態な人もいるけど)
松本市だとどうかというと、一人感染者が出るだけで「何処の誰?!」という犯人捜し状態。
感染人数が少ない県ってみんなこんな感じだと思うけど、感染したら犯人扱い。
これが東京と地方で違うポイント。
地元の事は、良いことも、悪いことも、噂が広がるのが早い。
例えば松本市だと僕の家近くでこんな事が起きた。
本人が名前を公表しているので書くけれど、小林創建の社長さんが
感染してないのに感染したというデマを流された。
松本市内で感染者が出たのはデマの数日前。
60代の男性の感染が県から発表されたんだけど、何故か40代の小林創建社長さんが感染したとされて、しかも心配してくれるならわかるけど、犯人扱い。
これはネット上でスタートして近所でも噂話として拡散されていった。
松本中心地という「市街地」でさえこれだ。
地方のご近所さん同士の仲の良さが裏目に出ちゃった。。。
もっと地方の小谷村なんかでは、犯人扱いされた感染者さんの足取りまで追跡されて、立ち寄りそうなコンビニやスーパーにまで「あの店はヤバい」なんて書き込まれてしまい・・・
地方は感染リスクが低くて安心度は高いけど、一旦感染したら、コロナ同等に噂話が怖いなと感じる。それは長野県に限らず。
都心は感染リスクが恐ろしいけど、他人にはそこまで興味持たないもん。まあ、それが孤独シに繋がるから、それも恐ろしい風潮なんだけど。
それと強く感じたのは、「他県と関わりのある人」と「長野県内のみの関わりだけ人」の意識の差。
他県に友達がいる人&お仕事の取引先が他県にも存在する人に比べて
長野県外と関わりが薄い人は他県のナンバーの車を見るだけで拒絶反応を示してた。
これは首都圏に住んでた頃には考えられない内容なんだけど、長野県は山に囲まれている県ということもあり、長野県民と他県の人を区別する方がけっこう多い。
(ディスってるんじゃないの。長野県民の人もそういう自己分析する人が多いの)
そんなの昔の話だろって思ってたんだけど、今でもその山はけっこう高い。
物流やインフラ整備などで、暮らしに必要とされて他県から来ているのにナンバープレートだけで白い目を向けたりする人がいる。
やめなよ、同じ島国の中で。。。
遊びで来ている人には文句は言いたいけど。
そういう差が、首都圏と松本では感じられます。
これは直接は移住レポートと関係ない様にも見えますが、実は移住を検討するにあたって大切なポイントだと思って書きました。
コロナ後、もしかしたら地方移住を検討する人が増えるかもしれない。
その時、感染リスクは確かに低くなるけれど、都会の常識を地方に持ち込む事は出来ないという事を知ってほしいからです。
メリットばかり伝えるのが大嫌いです。
デメリットもしっかり考えてほしいです。
それで、自分にはどっちが向いてるか考えて、地方が良いなと思ったら、是非来てほしいんです。
東京の都心からなら、松本は市街地であっても価値観は変わりますから!
今までと違う生活を送れますから!
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松本市街地で車は必要なのか問題
地方移住で最もお金がかかるのが車だよね。
首都圏では正直、車なんて無くても問題は殆ど無い。
それが地方に転居すると「車は絶対に必要」という地域も多い。
なんせ電車どころか路線バスも少ない場所も多い。
じゃあ松本市街地だとどうなのかなって話だけど。
「松本駅の東側の市街地」であれば、車は必須でもない。
という意見が大半でした。
もちろん車はあった方が便利だし、休日に何処かお出かけしようとしたら、車はあった方が良いんだけど、転居してすぐに必須かと言われればそうでもない。
路線バスは充実しているし、坂を頑張れるのであれば自転車移動で駅も銀行もスーパーもホームセンターも病院も市役所も行ける。
ただこれは住居も職場も松本駅東側の市街地であればという話かなあとも思う。
その他の地域へは公共交通機関では行きにくい。
だってほら、南松本駅や平田駅から西へ2kmも行けばこんな風景なんだから。
なので、松本駅東側が生活エリアであれば車は急ぐ必要はないのかなって思う。
ちなみに僕は南松本駅の西側エリアに住居も職場もありますが、移住後9か月間は車無しで生活してました。
まあ徒歩圏内に国道19号線があり、スーパーやら銀行やら揃ってるからね。
国道19号ってのは首都圏でいうと国道20号とか16号みたいな雰囲気の道。
車は「持ってる」前提で話が進む
でも一個気をつけたいのは、基本的に車を持ってるという体で話は進んでいくということ。
女性とか男性とか、若いとか年配とか関係なく、車は持ってる前提。
例えば首都圏だと、みんなで集まる時は駅の改札だったりするじゃない。
デートとか仕事でもそうだよね。
それが松本では、車で直接行って、お店の前で集まるという展開になるの。
下手したら大きな駐車場がある施設にみんながそれぞれ車で集まって、一台に乗り換えて遠出。
っていうのもあると思われる。
お仕事もそう。
基本的に現場周りするには車で顧客のところへ行って駐車場集合だ。
なので、移住後は、いずれは車はあった方が便利な事も多いと思う。
けど、松本市街地であれば、転居してすぐに絶対っていう事はない。ってのが結論かなー。とにかく職種による。
社用車を乗って帰って良いんであれば超助かるけど。
自分の車のタイヤ交換したことないよね?
これは偏見かもしれないんだけど、僕は東京と神奈川の平野部に住んでたせいか、スタッドレスタイヤを使ったことがなかったので、マイカーのタイヤ交換をしたことがなかった。
みんなはタイヤ交換したことあるの?
長野県の方はみんな普通にやってるの?
首都圏の人もスキー行く人ならやってるの?
タイヤ交換をオートバックス的なお店でやると2000円は発生するよね。
なので、松本出身の奥さんのご両親の監修の元、タイヤ交換を実施してみました。
ボルトは5つ。
ジャッキは奥さんの実家で借りて交換。
1本につき10分近くかかったから、計40分。
これがね、意外と簡単だった。
もっと難しいと思ってた。
これは出来る様にならねばいかんよね。
少し走ったら増し締めも忘れない様にしなくちゃ。
そして驚いたんだけど、スタッドレスとノーマルタイヤで、走ってる音が違う。
そうか。そんな差もあるのか。
色々と驚くし、学ぶことが多い。
それが地方移住の楽しさでもあるんだよね。
さて、今回の記事。
なんだかクレームが来てもおかしくないかもなあ。
でもね、いいの。
僕は松本が好きだから。
好きな部分もちょっと変だなあという部分も目を逸らしたくないの。
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